花火大会

町の花火大会。
弟と義兄と三人、自宅の屋根の上で缶ビールを空けながら、見る。
去年はそこに父親がいたのだが、今年は友人の息子の通夜に出ていて、いない。

水の事故だったという。
高波にのまれた二人。助けに行った一人。
一人を助けた一人はもう一人も助けようと再度潜り、そして二人が帰らなかった。
親父の友人の息子は最初にのまれた一人。
数日後に見つけられたその顔は髪が抜け、鼻もなく、面影などなかったという。
助けに行った一人が最後まで見つからず、それが気がかりで、見つかったときに本当に良かった、と父の友人が心底安心していたのが印象に残ったと父は言っていた。
本当なら、15日のお盆に帰省しているはずで、今日は家族と共にか、或いは友人か恋人とこの花火を見ていたはずだった。

そんなことや、去年死んだあの子や彼、その妹さん。祖父、外に出ず見ない祖母、「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」「少年たちは花火を横から見たかった」のことなんかを考えながら見ていた。
あと、jesやMO様、伊奈やJUN夫妻もここに呼んでみればよかっただろうか、とか、夫妻にここは無理だなとか、そもそもそんな人数上がったら屋根抜けるよ、とか。